中間型のバルビツール酸系催眠薬としては1個、
アモバルビタールがあります。
それから、薬学部の課程が4年制から6年制に変わって、国
家試験の出題基準がどのように変わったのか?
そして新旧の出題内容が科目や分野等でどのように対応し
ているのか?って、実は分かりづらいんですよね…。
目次
バルビツール酸系催眠薬であるアモバルビタールの出題履歴
アモバルビタールについては、第90~100回(2005~2
015年)の本試験で直接は出題されていません。
下記の記事で、バルビツール酸系催眠薬についての類題や、
催眠薬一般について国試の出題基準で大切なポイント
等を把握しておいて下さい。催眠薬についての出題基準の
概要として、
代表的な催眠薬や薬理作用、作用機序、主な副作用等を
チェックしておくべきとされています。
・・・で、なんとなく過去問の類題を出題して、その解説
をしないと読者の皆さんも(この記事については)
つまらないでしょうから、参考となりそうな問題を1題だけ、
類題の形でご紹介します。
バルビツール酸系催眠薬と関係して、第98回(2013年)の
問155にこんな問題がありました。
第98回(2013年)問155 フェノバルビタール 出題科目: 薬理学 予想正答率: 50%以上
「フェノバルビタールは、用量によって鎮静・催眠作用と
抗痙れん作用を生じさせ、
鎮静・催眠作用の用量は抗痙れん作用の用量よりも一般に
少ない。○かXか?」
解説を簡単に書いておくと、フェノバルビタールは確かに
バルビツール酸系催眠薬として分類されるのですが、
鎮静・催眠作用の用量よりも低用量で抗痙れん作用を引き
起こし、
抗てんかん薬として用いられています。つまり、正解はX
です。
フェノバルビタールについてはバルビツール酸系の抗てん
かん薬であり、
商品名はフェノバールやルミナールなどで、略称はPB
(PhenoBarbital)です。
その他に、フェノバルビタールはバルビツール酸系催眠薬
としては長時間型に分類されます。
また、バルビツール酸系催眠薬には身体的・精神的な依存
性があり、
REM睡眠を強く抑制する作用があったりしますが、それら
の作用を解毒するにはジモルホラミンを用います。
REM 睡眠とは?については、上に書いてある「超短時間型
のバルビツール酸系催眠薬」
についての記事で分かり易く説明してありますので、参考
にされて下さい。
薬剤師国家試験での4年制旧課程と6年制新課程における出題基準の比較
薬剤師国家試験の受験対策では、一般に5~7年分くらいの
過去問を勉強するのがセオリーとなっています。
読者の皆さんも知っているように、第97回(2012年)から
新しい出題基準になって、
現在は第100回(2015年)までの4回分の過去問があり、当
然、第96回(2011年)以前の過去問も、
第101回(2016年)の国試を受験する方は勉強しなければ
なりません。
で、新旧の出題基準を比較すると、科目名や、科目に含ま
れている各分野、項目等が
- どのように変更になっているのか?
- 特に変わっていないのか?
- どのような対応関係になっているのか?
等について、一見すると分かりづらい状況になっています。
そこで、薬剤師国家試験の出題基準について、
新旧の内容を分かり易いように、下記に一覧にして示して
おきます。
4年制旧課程 薬剤師国家試験の出題基準(第90~96回)
基礎薬学
○ 含まれている分野
- 薬学概論
- 物理化学
- 分析化学(日本薬局方試験法を含む)
- 有機化学
- 生薬学
- 生化学
- 放射化学
- 機能形態学(生理学・解剖学)
- 分子生物学
- 免疫学
- 微生物学
○ 大項目3個
- 物質の構造と性質
- 天然医薬資源
- 生体の構造と機能
医療薬学
○ 含まれている分野
- 薬理学
- 薬剤学
- 毒性学
- 基礎病理
- 基礎診断
○ 大項目5個
- 医薬品の作用
- 医薬品の体内動態
- 疾病と病態
- 製剤の調製と医薬品の品質管理
- 薬剤師業務
衛生薬学
○ 含まれている分野
- 衛生化学
- 公衆衛生学
- 栄養化学
- 環境科学
- 毒性学
- 病原微生物学
- 疫学
- 生態学
○ 大項目1個
- 健康と環境
○ 新たに設定・改定された法律制度4個
- 食品安全基本法
- 健康増進法
- HACCP制度
- PRTR法
○ 新たに問題となっている事項2個
- 内分泌撹乱化学物質
- シックハウス症候群
薬事関係法規及び薬事関係制度
○ 大項目5個
- 法・倫理・責任
- 制度
- 薬事関係法規
- 医事関係法規
- 医療保険関係法規
○ 新たに加えられた法律2個
- 個人情報の保護に関する法律
- 介護保険法
尚、下記の法律については、これらの法律の主な分野である
「衛生薬学」の科目で出題されていました。
- 食品衛生法
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
- 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
- 学校保健法
6年制新課程 薬剤師国家試験の出題基準(第97~101回)
必須問題試験
- 物理・化学・生物
- 衛生
- 薬理
- 薬剤
- 病態・薬物治療
- 法規・制度・倫理
- 実務
一般問題試験
薬学理論問題
- 物理・化学・生物
- 衛生
- 薬理
- 薬剤
- 病態・薬物治療
- 法規・制度・倫理
薬学実践問題
- 物理・化学・生物
- 衛生
- 薬理
- 薬剤
- 病態・薬物治療
- 法規・制度・倫理
- 実務
新課程の薬剤師国家試験になって、試験内容の主な変更点5つとは?
ご参考までに、旧課程から新課程になって国家試験の内容は
全体としてどのように変わったのか?
受験生である皆さんに知っておいてほしい主な違いを項目別
にまとめておきます。
- 問題数が240問から345問に増えて、試験時間が長くなり、
受験生の体力的な負担が増した - 厚生労働省による出題基準が変わったことで、出題される
範囲(内容)が少し(?)増えた - 必須問題と一般問題(薬学理論問題・薬学実践問題)とい
う出題の区分になった - 「必須問題の各科目と合計点」・「一般問題の各科目」・
「国家試験の全体の合計点」について足切りの基準(合格
基準点)が設定された - 問題の出題形式が全体的に大きく変わった
5番目の出題形式については例えば、第90回よりも以前のよう
に単純に過去問題が
そのまま再出題されることがなくなって、実務科目や、薬学
実践問題での複合問題(実務 + 各科目の内容)等の
ように、臨床現場での薬剤師としての対応能力や問題解決能
力等が問われるようになってきていて、
要は、出題の形式が変わることで全体的に難化してきている
ということです。
具体的な問題の形式については、例えば、
「選択肢が組み合せになっていて、問題文の設定に沿って正
しい肢を聞く問題」
等、大きく6パターンが厚生労働省によって発表されています。
それらについては、↓ の記事で内容をお伝えしています。
【追記】
2015年9月30日(水)、厚生労働省から薬剤師国家試験の合
格基準点について3箇所の変更点が発表されました。
それを受けて、具体的な変更の内容と、受験生としての注意
点等を臨時ニュースとしてまとめておきました。
6年制新課程での薬理学の新しい出題基準とは?
因みに、当サイトで主に記事ネタとしている薬理学について
の新しい出題基準は以下のようになります。
- 医薬品の薬理作用や作用機序等について中心に出題する
- 臨床現場での副作用や相互作用、剤形が問題となるケース
以外では、薬剤の名前は塩等をつけないで、薬物の本体だ
けを表記する
この出題基準の対応表、すごく便利で役に立ちました。アリガトウございました。
そう、基礎薬学や医療薬学が6年制ではどの分野に対応してるのか?分かりづらかったし今まで
出題基準の表で対応のしかたが、複雑でふつうに分からないのですが、、汗
表は多少、複雑ですが、丁寧に科目と分野名を新旧の課程で対応させていって下さい
・・・何か分からなかったら、遠慮なくいつでも質問して下さい
科目と分野の名前や内容などがどう対応してるのか?変わってるのか?とか分からないと、過去問を演習する時に不便だよね..