ブランクがある薬剤師の病院への再就職での最も効率的な勉強方法
育児や病気、怪我、事故、事件、災害などの色々な事情の為に数年程度のブランク
がある潜在薬剤師の方達は女性を中心として多いです。そのような方達が病院への
再就職を希望していて、忘れてる知識や経験とスキルを復職の際にどのように勉強
して準備すれば良いのか?について相談をして頂く機会が当サイトでは多いです。
病院での仕事は調剤薬局やドラッグストアと比べると求人が明らかに少なく、空白
の期間があると例えば派遣やパートとアルバイトなどの非正規雇用であっても就職
が難しくなりやすいです。しかし実務の経験がある程度あって、知識などの学習を
きちんとして熱意をもって求職活動をすれば復帰を果たすことは充分に可能です。
そこでどのようなやり方で勉強すると最も無駄が無くて効率的に再就職に向けての
用意ができるか?の方法を具体的に紹介します。不安な方達は参考にして下さい。
ブランクだった期間に忘れてた知識を学ぶ方法としては一般に以下のやり方があり
ます。多くの薬剤師の方達がいくつかの手段を組み合せて自習をされていました。
- 医薬品の情報の書籍
- 医薬品の情報の雑誌
- 医薬品の情報のサイト
- eラーニング用の教材
- 各種の研修会や勉強会
- 転職サイトの学習用の
コンテンツやセミナー - 職場で実施される研修
ただこれらの方法で勉強するにしても一つ一つの情報量がすごく多いです。そして
新しい職場で直接的にいつも使う知識ではないのが大きな問題で効率が悪いです。
例えば薬学生で6年生の終わりに薬剤師の国家試験に向けての受験勉強をしてた頃
のことを思い出してみて下さい。受験勉強では『いつ・何を・どうする』の内容と
手順が明確に決まっています。学習に使える残り時間が決まっていて受験生さんは
国試の当日に合格基準点を超えられるだけの得点力を身につける為に毎日、必死で
学習を続けてます。しかし病院への復職を目指す勉強ではその『いつ・何を・どう
する』の見通しが一般にハッキリしていません。それで何をどうやれば良いのか?
が分からなくて求職者の皆さんが困っていらっしゃいます。だから実務で使わない
知識を沢山吸収することで遠回りをしたり、途中で力尽きて挫折したりするケース
がとても多くなってます。従って弊サイトではその見通しの部分を誰にでも分かり
やすくて取り組みやすいように整理してお伝えしておきますので活用して下さい。
因みに病院に復帰して薬剤部などで働く場合には、各診療科の医師が処方した医療
用医薬品を調剤して患者さんにお渡しします。要は調剤薬局での業務と似ていて、
休職していた期間の知識などを身につける為の学習の方法が大体同じになります。
仕事で担当する診療科の領域が広ければ、覚えるべき医薬品の品目数が増えます。
すると再就職で内定を頂くことが難しい面が確かにありますが、でも転職
サイトで相談しながら適切な手順で勉強をすれば希望がもてますからね!
ブランクの期間の目安とは?
多くの求職者の方達は『ブランクの期間ってどのくらいの長さのことを意味するの
ですか?』と心配して気にされていて質問をして下さいます。当サイトのキャリア
コンサルタントである本間寛之が大小色んな規模の病院の人事担当者の方達にヒア
リングしてみたところ、大抵のケースで望ましい休職の期間は1年程度とのお答え
を頂きました。薬機法が改定されて調剤報酬と薬価が変更になるのが2年に1度の
ペースで、休んでた期間が2年を超えると調剤薬局と同様に不利になってきます。
その他にドラッグストアでOTC医薬品だけを扱う場合にはブランクの期間の長さは
あまり関係無いです。でも薬剤師の方達が病院に復職をする上では調剤業務の経験
と空白の期間の長さをシビアに査定されやすいと分かっておいて下さい。採用する
予定の人数が少ないのもありますが、調剤薬局より厳しい展開になりやすいです。
内定を得るまでの勉強の方法
ブランクの期間がある薬剤師の方達はとにかく医薬品の知識や、業界の動向などを
ほぼ忘れていて浦島太郎状態になってることを皆さんが気にされてます。薬剤師の
業界の現状を詳しく知る為には以下の2つの知識を学ばなければなりません。でも
これらは次の職場で常に使用する必要な知識ではないので深入りしないで下さい。
- 新薬と既存薬の添付文書に書かれてる知識
(新薬は平均で100個前後が毎年承認され
続けています) - 薬機法の改定による調剤報酬と薬価の変更
(この法改正は2年に一度実施されます)
病院に再就職をして薬剤師の方達が担当する可能性がある主な業務は下記のように
なります。医師や看護師などの他の医療の専門職の方達とチームを組んで稼働する
面があり、調剤薬局より仕事が多岐に渡って負担が大きくなります。しかしその分
勉強になる機会が多くてやり甲斐も大きく、病院での勤務は魅力的だと言えます。
- 調剤
- 外来または病棟での服薬指導
- 医師の処方に対する疑義照会
- 患者毎の薬歴の管理
- DI(医薬品情報の管理)
- 医薬品の管理
- チームでの業務(チーム医療)
内定を得る前はまだ所属先や職種が具体的に決まっていないので、例えば薬学生で
国家試験の受験勉強をしていた頃の教材を復習するとか、そのような無駄な学習は
しないで下さい。休職をする前に病院や調剤薬局などで働いてた方達は、その当時
の採用医薬品リストをざっくりと見直しておいて下さい。その経験が特に無い方達
は医薬品の業界の新しいトピックスなどを軽めに眺めて、最近よく売れてる新薬や
主流になってる治療法などの知識を増やして、最新の話題に頭を慣らして下さい。
調剤業務で使用されてる医薬品の添付文書の情報は以下のサイトで確認できます。
特に新薬は添付文書以外に製薬会社の医療関係者用ページで知識を深められます。
PMDAとJAPICのサイトは実務を始めてからも役に立ちますので参照して下さい。
薬剤師の方達が知っておくべきな医薬品関係のニュースは下記で配信されてます。
病院などでの調剤の仕事で扱う医薬品の情報を調べる為の辞書としては以下の2冊
がスタンダートな存在で、年度版になっていて使いやすい方を選択されて下さい。
今日の治療薬は臨床の現場で使われてる最新の医薬品を薬効群毎に解説してして、
さらに便覧の形で使いやすく編集されてます。新しい話題も随時追加されてます。
治療薬ハンドブックは年度版の書籍で最新の医薬品の添付文書と、その他の詳しい
情報を素早く調べられて臨床の現場の処方の業務で役立つように工夫されてます。
本の他にスマホのアプリがついていて、医薬品の情報の検索がよりスムーズです。
処方ポイントや薬剤ポイントと指導等の項目毎に分かりやすく整理されています。
『今日の治療薬』と『治療薬ハンドブック』は調剤の業務をする上で薬剤師の方達
がどちらかを必ず現場で手元に置いて常に使ってるくらいに必須のバイブルです。
内定を頂いて所属する部署が決まって入職する前は上記のニュースのサイトを見て
近年の話題を大まかに知っておき、上記のどちらかの教科書で説明されてる新しい
項目をチェックしておく程度で良いです。例えば分厚い昔の教材を引っ張り出して
きて全て覚え直しておくとか、そのような勉強の方法は無駄なのでやめて下さい。
内定を得た後での勉強の方法
薬剤師の方達が復職する前に学べるeラーニング用の教材は下記の3つが有名です。
- メディカルナレッジ
- JP ラーニング
- MP ラーニング
仕事に復帰する前の方達用の研修会や通信講座などは主に以下の4つが有名です。
勉強会は地域の薬剤師会や医薬品の製造メーカーと病院などが多数主催してます。
- 公益財団法人 日本薬剤師研修センター
- 公益社団法人 日本薬剤師会
- 一般社団法人 日本女性薬剤師会
- アポプラスステーション株式会社 ママ薬
そして下記の2つの転職サイトでは再就職を支援する為のプログラムがあります。
ある程度あって、転職サイトのキャリアコンサルタントに相談して頂いて
熱意をもって活動に取り組めば納得ができる仕事と巡り会えますからね!
しかし上記のコンテンツと勉強会などは補助的に利用するだけにして下さい。病院
に再就職をする薬剤師の方達に必要なのは、その職場で使ってる採用医薬品リスト
に記載されてる医薬品の添付文書と、それを補足する情報だけです。DIや医薬品の
管理の業務でも同じです。あくまでその環境で使用してる医薬品に関する知識のみ
を身につけて下さい。逆に言えば、例えば今の医薬品の市場で流行っている新薬や
新しい治療法などの知識は必要ではないと言い切れます。求職者の方達がこれから
復職をして働き始める予定の病院内の部署では直接的に要らない知識だからです。
採用医薬品リストは通常の調剤の仕事では500~800品目くらいです。その医薬品
の効能・効果や用法・用量、相互作用、副作用、警告、禁忌などの知識を、日常の
業務でよく調剤する主要品目の医薬品から優先して学習してしっかりと身につけて
下さい。添付文書と『今日の治療薬』または『治療薬ハンドブック』を用いて勉強
して下さい。新しい職場で扱っている採用医薬品リストの内容は薬剤師として全て
把握してる必要がありますので実務の中でその状態を目指して下さい。このやり方
で学習すれば無駄が一切無くて最も効率的に必要十分な知識を身につけられます。
また知識の他に経験とスキルについては病院だと調剤薬局より複雑になり、実際に
稼働をしながら習得していくしかないです。それからいきなり正社員として復帰を
することに不安を感じる方達は多いです。きちんとついていけるかどうか?が心配
なら非正規雇用の派遣かパートやアルバイトで働き始めてみて、その職場で必要な
知識や経験とスキルを勉強していくと良いです。正規雇用だと責任やプレッシャー
などが重くなり、担当する仕事も多くなるので自信が無い方達は検討して下さい。
まとめ
子育てや病気などの理由の為にブランクの期間が数年間程度あり、病院への再就職
を希望してる薬剤師の方達が仕事を始める前後でどのように知識や経験とスキルを
自主的に学習して準備しておけば良いか?の方法を具体的にお伝えしてきました。
特に病院は実務の経験が無くて休職していた期間があるケースでは就職することは
難しいです。ある程度の経験があって1~2年程度の空白の期間がある状況なら復職
を果たした事例は普通に多くあることを分かっておいて下さい。復帰をする前後で
勉強すべきことは基本的に以下の2つだけです。1はざっくりと知っておいて、2は
正確に全て記憶して下さい。経験とスキルは働きながら身につけていって下さい。
- 医薬品の業界でブランクの間に話題になってたこと
- 病院の薬剤部の採用医薬品リスト中の医薬品の知識
休職していた期間があって病院への再就職を希望して求職活動をするに当たって、
入職する前後での学習の方法に関して何か質問や相談などがございましたら、いつ
でもお気軽に下記の専用のフォームから連絡をされて下さい。病院での業務は複雑
で多岐に渡るので、復職に向けての勉強のやり方も臨機応変に調整をすべきです。
病院での中途採用は枠がそもそも少なく、空白の期間が多少あっても応募ができて
魅力的な条件である非公開求人の案件を沢山紹介して頂ける転職支援サイトによる
サポートがどうしても必要になります。調剤薬局やドラッグストアと比べると就職
は簡単ではなくハローワークや薬剤師会などで探すだけでは現実的に苦しいです。
される方達は意識や能力が高く、転職サイトの担当者と本音で向き合って
相談しながら活動を進めていくことで明るい結果になった事例が多いです