薬剤師国家試験に向けて勉強をしている受験生からは、一般に
実務科目については勉強の仕方がイマイチよく分からない
という声が多く聞かれます。
当サイトにも、
「実務の受験勉強ってどんな風にすれば良いのでしょうか?」
というご質問が多く寄せられています。
いつもご連絡を頂けている皆さんには感謝しています。
有り難うございます。
そこでこの記事では、苦手とする薬学生が多い実務科目に注目
して、受験勉強での攻略方法をお伝えしていきます。
実際に、受験生の方からの感想として
『実務科目で点がなかなか取れないから予備校の先生等に一度、
相談してみたけれど
「薬理学等の中心となる科目をまず先にちゃんと学習していれ
ば、実務は応用みたいな科目なのでそのうちに分かってくる」
とかって曖昧な返答をされて結局、状況を変えられずになんと
なくそのまま受験してしまった… orz』
というケースもありました。そこで、実務科目については、ど
のように受験勉強をすれば
最も効率的で無駄なく得点力を上げていけるのか?について、
ノウハウ的なことを整理してまとめておきます。
目次
薬剤師国家試験での実務科目の望ましい受験勉強の方法
まず、実務科目の出題基準(問題構成)は以下のようになって
います。
- 必須問題の実務10題
- 薬学実践問題の実務関係の出題85題
- 薬学実践問題の実務20題
- 「物理・化学・生物」と「実務」の複合問題30題
(その内の15題が「物理・化学・生物」、15題が「実務」) - 「薬理」と「実務」の複合問題20題
(その内の10題が「薬理」、10題が「実務」) - 「病態・薬物治療」と「実務」の複合問題20題
(その内の10題が「病態・薬物治療」、10題が「実務」) - 「衛生」と「実務」の複合問題20題
(その内の10題が「衛生」、10題が「実務」) - 「薬剤」と「実務」の複合問題20題
(その内の10題が「薬剤」、10題が「実務」) - 「法規・制度・倫理」と「実務」の複合問題20題
(その内の10題が「法規・制度・倫理」、10題が「実務」)
実務科目についての、世間的によくある2つの誤解
次に、実務科目について巷では
- 病院と薬局での実務実習の内容から本試験に多く出されている
- 最新の情報を実務実習で知ることができるので、実務科目は現
役の受験生の方が既卒の受験生よりも、どうしても有利である
等の噂(?)がまことしやかに流布していますが、実際には、
ただの都市伝説だったりするのです。
確かに、6年制の新課程になって第97回の本試験以降は医療の
臨床現場で使われている医薬品が
出題されるようになってきていて、薬局や病院での実務実習
で扱ったことのある薬剤については
覚えておけるとベターではあります。しかし、過去4回分の
薬剤師国家試験について
先輩である受験生達の意見や感想等を広くリサーチしてみて、
「実習先で使っていた薬が国試で沢山、出て大成功だった!」
というような事例は、実は皆無でしたw 個々の実習先の施
設でたまたま薬学生の皆さんが触れていた薬品等が
国家試験の実務関連の科目でドバドバ多く出題される… とい
うようなオイシイ展開は、残念ですがあまり無いです。
それに伴って、最新の臨床現場での事情等を詳しく知れる機
会があるからと言って、
実務関係の科目について特に既卒の受験生が不利になって、
現役の受験生が得点し易い等の事情も確実に無いです。
最近の薬剤師国家試験では臨床の医療現場での医薬品が確か
に出題されるようになってはきていますが、
上記の2点については、少なくとも現状ではただの噂なので、
どうか誤解をされないようにご注意下さい。
実務科目の2つの効率的で鉄板な勉強方法とは?
では、実務関連の科目は受験勉強をしていて具体的にどのよ
うに準備をすべきなのか?ですが、
- 過去問や模試(模擬試験)等の各問題について、肢別吟味まで
しながら繰り返して勉強をする - 新薬や新しい治療法等については予備校作成の、大学への出前
(出張)授業や冬期講習等でもらえる対策プリントで最新の内
容を理解して身につけておく
というやり方が最も効率的で無駄がなくて、鉄板な方法とな
ります。
受験勉強の過程で大切な作業となる肢別吟味
ここで少し補足をしておくと、過去問題を解いていたりして、
自力で正答できた問題についても
受験勉強の過程では正解かどうか?を確認して終わりにするの
ではなくて、特に過去問演習の1~2巡目では
各問題中の選択肢について
「それがどうして正答なのか?もしくは、誤答なのか?」
の理由を確認して理解すべきです。
勿論、その場で短期記憶であってもある程度、覚えられるなら
その方がより良いです。この確認・理解・暗記の作業を受験勉
強では「肢別吟味(しべつぎんみ)」と言い、
肢別吟味をしっかりと積み重ねていくことで似たような肢を見
かけた時に応用して適切な対処ができるようになれるのです。
つまり、応用力を培って、尚且つ、科目相互に知識を有機的に
つなげて得点力を
全体的に向上させていく為に、演習経験を増やしている時には
肢別吟味を確実にしていくべきです。
実務関係の科目での薬理学の出題傾向についての注意点
最後に、当サイトで中心的に扱っている薬理学について、実務
関連の科目では
どのような点に注意すべきなのか?を具体的に書いておきます。
薬学実践問題中で薬理学は実務との複合問題が20題
(薬理学が10題、実務が10題)出題され、直近の数年間につい
て傾向分析をしてみて、以下のような注意点があります。
- 薬理学では、処方された医薬品の作用機序を問う出題が多い傾
向がある - 実務では、併用している薬剤や既往歴から使用している薬の副
作用や相互作用、更には身体症状等を考えさせるような問題が
増えている傾向があり、難易度が高くなってきている - また実務では、市販薬や漢方薬が出題されるようになってきて
いて、実際の医療現場で求められる問題解決能力が問われ、実
務実習で習ったことも役立てられて、知識として大切である
ここでも、
「臨床系の科目は実習先でよく聞いて、学んでくるべき」なん
て意見も見聞きしますが、忙しい実務実習の中で、特に国家試
験対策の座学的な講義等は薬学生として望むべくもないです。
(そもそも、病院や薬局等は授業をしてくれるような教育機関
ではないですからね)
そして、
- 教科書等には載ってないけど臨床では使う薬品の知識を問う問題
- 教科書等に載っていて、現場では使わない薬剤の知識を聞く問題
等も普通に今はあり得ますので、
実務関係の科目は過去問や予備校の授業内容、対策プリント等
を組み合せてしっかりと準備をしておくべき
と言えることになります。誤解等を無くして、着実に受験対策
を講じておいて下さい。
実務はホント、勉強しても模試で全然とれてなくて、勉強法についてずっと悩んでました.. orz
記事の内容を参考にしてもらえたら、きっと良い結果が出せると考えます
応援しています
頑張って下さい
実務は連問とか多い感じで苦手です
早めに、時間をかけて準備していくぞぉ
今までは答え合せだけして、すぐに次の問題へ‥ってやってしまっていました
演習のやり方について、反省します..
肢別吟味は、過去問などを最初に1周する時には手間がかかって大変ですが、
でも2周目からは理解も深まって、次第に楽になっていきます
そして、演習の作業では絶対に必要な所為です
慣れればスピードも上げていけますので、頑張って下さい
実務はホント、模試で最後まで点が上がらなくて苦労したわ
直前に白本をチェックしといたのが良かったのかも..