下記 ↓ の前編の記事では、薬剤師国家試験での過去問題の
再出題の可能性を主な話題として取り上げて、
国試の所管官庁である厚生労働省側の見解をご紹介しました。
その後に、公的な通達に関係する注意点を説明して、
本試験の問題の出題形式を踏まえながら、実際に、これまで
過去にどんな内容で過去問が再出題されてきたのか?
その歴史をご紹介してきました。この記事ではその続きとし
て、薬剤師国家試験での
過去問題の再利用についてどのような通説があって、そして
何故、過去問で演習する時に類題の存在を意識して、
積極的に類題を多く解いて演習経験を増やしていくべきなの
か?の理由について具体的にお伝えしておきます。
目次
薬剤師国家試験で出題内容の周期性と、過去問の再出題についての通説
まず、薬剤師国家試験において過去問題の内容がどのくらい
の周期性をもっていて出題されるのか?
については、下記 ↓ の記事で概ね “6年周期の通説” が存在
することを既にお話しました。
そこでは、
「確かに過去には、国試の出題内容の周期性について6年の間
隔で移り変わっていくとされていたが、
でも薬学部では4年制から6年制へ大きく課程の内容が変化して
しまったので、
今後の国家試験では、またどのような周期的な傾向が生じるの
か?は当面、不透明である」
のように結論をまとめていました。
しかし、6年周期の通説とは別に、薬剤師国家試験での過去
の問題の再出題については、
「直近の10年分の過去問題から20%前後、出題されている」
という通説も存在するのです。これによると、過去問が資
料(出題のデータ)として充分に集積されるのに
約10年くらいは必要で、すると、新課程(6年制)での国家
試験については
第100回までで4回目ですから、あと6回分くらいの問題が必
要なことになります。
だから、これから丸5年くらいの期間は様子見というか、基
本データ的な情報を集める為の時間になると推察されます。
もしかしたら、出題者側では今後6回分くらいの試験内容を、
「既出である過去問題の充分な蓄積」の為に
必要であると、内情として予定しているのかもですね。そ
んな見方もできるということです。
- 6年周期の通説は、出題者側が一通りの内容を大体、出題し
終えるのに要する期間が6年だったということです。 - 10年周期の通説は、過去問の内容を再利用しての再出題が、
10年分の設問から20%前後の割合だったということです。
2つの通説の意味は異なっていますが、過去に国家試験で出
題された内容に関係する経験則として知っておいて下さい。
過去問で演習する時に、類題に対してはどのように意識すべき?
過去問題の再出題のされ方として、基本的には過去問がそ
のまま同じに、大学の定期テストのようには
出題されなくなってきている事実を受けて、受験対策で演
習をする時に、具体的にどのように
類題を意識して勉強しておくと良いのか?を、参考までに
記載しておきます。
以下のことに注意して下さい。
- 選択肢の内容を本試験でどう変えてくるか?パターンを想像
しながら解く - 「もし●○について、こんな聞かれ方をしたら答えられない」
と思えたら、その問題の箇所に聞かれそうな内容と答え、解
説等を一緒に書いておく
常に類題の内容を想像しながら、肢別吟味をしつつ、基礎
となる知識や問題の解き方(解法パターン)等を
理解して覚えていくことが大切です。国家試験では常識と
して、大学の定期試験のように
例年、過去問とほぼそっくりで殆ど同じな問題が平気で出
されるとかは一般には無いことです。
但し、
過去問題に似ている問題が多く出て、相対的に他の年(年度)
よりも易化する時は当然、色々な国家試験で普通にあります
けどね。
それから、
過去問題の内容を肢別吟味しながら覚えるくらいまで演習をや
り込んでおけば、知識や解き方のパターンが沢山、
頭の中にストックされているので、初めて見る問題に対しての
応用力(対応力)を身につけていける面もある
と言えますね。
そしてその一方で、もう何度も確認してあって解き方や正
答まで完璧に覚えてしまってある問題が多くあるのとは別
に、初めて遭遇する設問を
巧く解決していく能力を、特に直前期には意識して培って
おかないとヤバい事情もあります。
初めて見た内容の問題への対応スキルを身につけておきた
いと考えられる
上級レベルの受験生の方達は、↓ の記事で語っておいた事
柄を参照されて下さい。
薬剤師国家試験の受験対策では、最終的に薬学生の皆さん
がご自身で質問の切り口や角度を変えて類題を
作れるようになれることが理想の状態なのです。その意味
で、当サイト「やくがくま」なら、
類題の作り方についても、参考資料として学習して頂ける
メリットがあります。
第101回(2016年)から変革された薬剤師国家試験の合格基準点
それから、2015年9月30日(水)に、厚生労働省の医薬・生活
衛生局(旧医薬食品局)によって従来の
- 必須問題は各科目が50%以上の得点で、全体の合計
が70%以上の得点 - 一般問題は各科目が35%以上の得点
- 試験全体の合計が65%以上の得点
という合格基準点(足切りの基準)の内容が大きく改変されま
した。主な改正点は、具体的に3つあります。
巷では「国試に合格し易くなった?!」等と結構、話題になっ
ていましたが、
合格基準点が突然に変化した理由や、受験生として知っておく
べき大切な注意点等については ↓ の記事で論じてあります。
過去問と模試だけ解いてればイイって思ってました 類題についても、気をつけておきます
受験勉強を始めて、まだしばらくは過去問を何周かするので手一杯な感じです (´・_・`) やること大杉だし..
でも、今後、結局出るのは過去問からつくった類題みたいな感じなんだよね
問い方を常に意識しながら演習していく姿勢って大切だよね
101回では過去の問題が一部でそのまま出題されましたが、
それでも基本的には設問の内容を部分的に改変してある問題が
出題されると考えて下さい
学校の定期テストとはワケが違うので、過去問がそのまま多く
出るような甘い世界ではないとの認識をもっていてほしいですね
演習をしてて選択肢毎に解説を確認するのと、そこから関連する知識を広げて、さらに別の問い方を想像することはとても大切です