2015年9月30日(水)に、厚生労働省から全国へ通達が出
されて、
薬剤師国家試験の合格基準点について、第101回の本試験
から変更されることになりました。
全体的には合格基準点のハードルが下がって合格はし易く
なりましたが、
でもその一方で、各問題の難易度は経年で上がっている傾
向にあります。
受験生である薬学生の皆さんに、特に足切りの基準点に注
目して、現状の合格基準点で
どのような点に注意をしてほしいのか?のお話をこの記事
ではまとめておきます。
目次
やっぱり結構シビアな足切りの基準点(合格基準点)の現実
薬剤師国家試験の所管官庁である厚生労働省は、ざっくり
と表現すると、
国家試験の全体の合格率と合格者数等を、市場での需給バ
ランスを考慮して、中長期的に安定化させていくこと
が目的で今回、合格基準点を変更しました。そのあたりの
国(所管官庁)的な内情や、
新旧の合格基準点の内容の比較等については、下記 ↓ の
2記事をご参照下さい。
とゆうことで、この記事では、新しい足切りの基準点を眺
めてみて、どんなことが言えるのか?
現実を直視しながら注意点を理解して頂いて、今後の受験
勉強に活かしていってほしいです。
9月末の変更で一般問題については合格基準点が事実上、
撤廃されましたので、
足切りの基準点は必須問題と、試験全体の合計点を注視す
る必要があります。
まず、下表をご覧下さい。
物理・化学・生物 | 15問 | 30%以上で、5問以上 |
衛生 | 10問 | 30%以上で、3問以上 |
薬理 | 15問 | 30%以上で、5問以上 |
薬剤 | 15問 | 30%以上で、5問以上 |
病態・薬物治療 | 15問 | 30%以上で、5問以上 |
法規・制度・倫理 | 10問 | 30%以上で、3問以上 |
実務 | 10問 | 30%以上で、3問以上 |
必須問題の全体 | 90問 | 70%以上で、63問以上 |
国家試験の全体 | 345問 | 基本的には65%以上で合格で、225問以上 (但し、相対評価の基準で補正措置があり得る) |
必須問題について、各科目で足切りの基準点が50%以上か
ら30%以上に引き下げられて、
必須問題の全体については変更なく70%以上の得点が必要
とされています。
さてここで、上の表を俯瞰して見ていて、どんな点に気づ
くでしょうか?
読者の皆さんに、ちょっと考えてみてほしいです。
必須問題の足切りの基準点から見えてくる国試の現実
表を見ているだけだと、なかなかリアルに現実というか、
危機感というか、シビアさ等は
伝わってこないモノですが、例えば、必須問題の各科目に
ついて
合格基準点が50%以上から30%以上に引き下げられたとは
言っても、
- 必須問題は科目によって10題や15題しかなくて、基本的に
問題数が少ない - 必須問題は、問題の内容の難易度が経年でそれなりに変動し
ている - 必須問題では、高校の履修内容を含めて基礎的な学力を問う
内容が出題されていて、基本的には平易とされるが、設問の
内容は、「知らない場合には解けないような問題」が増えて
きている - 必須問題の全体では、依然として70%以上の得点を求めら
れる
という傾向が読み取れるのです。読者の皆さんはこれらの
4点に対して、どのような印象を抱くでしょうか?
例えば、15題、出題される科目では最低でも5題、10題の
科目では最低3題は正答していないと、
仮に他の科目の得点がどんなに良かったとしても、その時
点で国家試験全体についてアウト!になってしまいます。
つまり、極端に苦手な科目を放置していて、そのまま国試
へ突入したり、
受験勉強をしていない空白の期間が長くなっているような
科目がある状態で平気で受けたりすると、
普通にリスクがあることになります。更に、全体では以前
と同じで「キッチリ7割は超えておいてね」と
厚生労働省から指令が出されているので、実は必須問題の
足切りの基準点について、
そんなに変更前から凄く、合格する為の基準が下げられた
訳ではないのだと理解してもらえると思います。
それから、高校で習ったような、大学の一般教養課程での
授業の内容よりも更に初歩的な内容が
必須問題には含まれているので、「簡単じゃーん」と単純
に感じられる面もありますが、
それでも難易度が年度(実施回)によって上下に変動しつ
つ、知らないと手を出しにくいような内容の
出題がされています。ここまで細かく分析してみると、実
はそんなに大きく、
規準が緩和された訳ではないと分かって頂けますよね。
変更後であっても、以上のような怖さがあります。
必須問題の合格基準点についての具体的な注意点
そこで、受験生の方達に銘記しておいてほしい、必須問題
についての注意点は、
合格基準点の変更前と比較して、各科目で、多少は不得意
な科目があっても
最終的に合格の可能性が残されてはいる現状にあるが、そ
れでも、全体では変更なく70%以上の得点が
求められていて、必須問題の全体に対しては、変更前と変
わらずに、
極端に不得意で得点力が低い科目をつくらずに、満遍なく
総合的に得点できる学力を目指して受験勉強をすべき
となります。因みに、過去に薬剤師国家試験に合格された
元薬学生の先輩達によると、
「必須問題で足切りに引っかかるなんて、まずあり得ない
から大丈夫だよね~♪」
みたいな感じの意見や感想等がありましたが
(あえて、嫌な人キャラっぽく表現しましたw)、
必須問題の受験対策で最も良いのは、やはり、
「必須問題の足切りなんて、私には関係ないしー(はーと)」
と言い切れてしまうレベルの学力を、できるだけ早くに身
につけてしまうことですね。
国家試験の全体について、足切りの基準点に関係する注意点
最後に、老婆心から国家試験の全体を視野に入れて、足切
りの基準点については
どのような意識(姿勢)で注意をしておくべきか?簡単に
説明をしておきます。
多くの元薬学生の先輩達の意見や感想等を広くリサーチし
てみた結果、
普通の得点力をもっている薬学生であれば、受験勉強をし
ていて、
「国家試験の全体の合計点は、勉強を続けているうちに大
体、7割は普通に超えられるでしょ」
みたいな感触が得られてくるとされています。しかし、足
切りの基準点については最後まで
細かくケアをすべきです。国家試験は出題範囲が膨大って
くらいに広いので、
どうしても各科目や分野について広く浅く勉強をしていく
感じにはなりますが、
くれぐれも10問中で3題すら正答できないような、ヤバい
レベルの苦手科目を1科目も
つくらないように注意しながら、全体の科目を偏りなく勉
強して、調整していって下さい。
ご参考までに、合格基準点と関係して、国家試験の出題基
準も4年制から6年制の新課程になって、
大きく変化しています。記事を書いている立場の人間から
しても、
「旧課程と新課程で、各科目・分野の名前や内容等がどの
ように対応しているのか?変わっているのか?それとも、
変わっていないのか?」
等が分かりづらいと感じられましたので、↓ の記事で、そ
のあたりの対応関係を一度、確認されておいてほしいです。
足切りってあまり意識したことなかったけど、注意点ってけっこうあるんだ
そうですね
内容を意識しておいて、普段の受験勉強で活かしていってほしいです
応援しています
必須も、7割を余裕で超えられるようになるまでは あなどれない ってことか。
以前の足切りの基準は確かにきつかった感がある件
そうですね
101回からの新しい合格基準点だと、必須で足切りに引っかかって
不合格だと、悔やみきれない感じになると考えられます
理想としては、常に8割を超えられるラインまで仕上げていきたいですね
必須の足切りもバカにはできないよね
全体でも、225問はいつでも確実に越えられるようにしておかないと不安だし
101回に7問足りなくて絶望してます…
これからどうすればイイのか
その事実は、親にもまだ言えていません
心配とかを余計にかけたくないから