例えば、大学の定期テストであれば、やっつけ的なやり方で丸
暗記(しかも一晩で)とかでも
単位は取れてしまうものですが、やはり国家試験となると、適
切な勉強の仕方をしないと
通用しない世界になります。薬学生の皆さんにとって、今まで
のご自身の受験勉強の方法を回顧して改善する
きっかけになれれば… と考えて、失敗する人によくある理由の
続きをこの記事ではまとめておきます。
演習の過程で肢別吟味をして、理解と記憶を積み重ねていないから
新課程で6年制の内容の薬剤師国家試験になってから、昔の国
試であったように
「過去問題がそっくりそのまま(殆ど)同じ形で出題される」
というケースは無くなっています。大学の定期テストじゃなく
て、業務独占型の国家資格の為の国家試験なので
本来ならそれは当たり前なのですが、過去問の内容を参考にし
つつも、ちょっと質問する切り口(視点)を
変えたりして類題が出題されています。なので、演習の作業を
している時には面倒であっても
必ず各選択肢に対して肢別吟味をして、その肢の正誤を理由つ
きできちんと判断できるようにしておかないと
応用力を身につけていけずに、薬剤師国家試験の本試験では対
応できなくなってしまいます。
また更に、時間や労力にゆとりがある場合には、肢別吟味をし
た上で積極的に周辺の関連知識にも触れておいて、
知識を広げて増やしておくことが大切になります。
過去問題を用いての演習で最も重要なポイントは、その問題自体が
解けるかどうか?ではなくて、その設問の類題が実戦(本試験)で
出題された場合に自力で解けるように練習しておくことです。
もっと言うと、自身で類題を想定して作れるようになれておく
と受験生としては申し分ないです。
肢別吟味をする時の作業の要領や、過去問の再出題について知
っておくべき点等については ↓ の記事で説明しています。
ご参考にされてみて下さい。
各科目・分野の知識を有機的につなげる勉強法をしてなかったから
新課程の国家試験では、例えば、病態・薬物治療や薬物動態等
の内容が薬理学とからめて
出題される場合があります。複数の科目や分野にまたがってい
る内容の問題が増えています。
また、一般問題の薬学実践問題では、各科目と、その実務的な
内容を一緒にして複合問題(所謂、連問)
として出題されてもいます。なので、昔の国家試験のように各
科目や分野を縦割り的に勉強して、
それで分かったつもりになっていると、複合的な内容である現
在の国家試験には対応できなくなってしまいます。
因みに、科目や分野等を横断的に相互に関係させながら受験勉
強をしていると、
丸暗記しなければならない暗記量を減らせたり、得点力の精度
を高めることができます。
個々の問題に対して色んな角度から考えて推察できるようにな
り、応用力をつけられるからですね。
従って、日常の受験勉強では常に柔軟に関連分野等の知識に目
を向けて、
知識を単発で断片的に “力技で” 暗記するのではなくて、有機
的に繋げながら増やしていって下さい。
この「知識のネットワーク化」をよく練習しておくと、仮に、
記憶の中でちょっと遠くなってしまっている事柄が
出題された場合にも、少し忘れていたりしても、知識を思い出
すキッカケ(とっかかり)が頭の中に多くあるので
思い出し易くなれるというメリットも確実にあります。又、同
時に、一つの知識が色んな知識と
頭の中でつながっている訳ですから、忘れにくくもなれますね。
ご参考までに、薬剤師国家試験のように
覚えるべき内容が膨大にあるような試験では、一般に
「ちょっと記憶が遠くなっている事項について、素早く記憶を
たぐり寄せて思い出すこと」
のトレーニングをしておくことはとても有意義なのです。
ここまでの内容をまとめておくと、「知識のネットワーク化」
には以下のメリットが具体的にあることになります。
- 個々の知識を思い出し易くなれる
- 各知識を忘れにくくなれる
- 力技で丸暗記する分量を減らしていける(勉強が楽になる)
- 各科目・分野にまたがって横断的な知見を増やせるので、
広い視野をもって思考できるようになり、応用力をつけて
いける
更に、これは余談になりますが、薬学生の皆さんの将来の為に
申し上げておくと、以上のように1つのことを学んでいて、
他のことと結びつけながら身につけていける姿勢は、社会人に
なってからも凄く役に立つスタンスなのです。
国家試験の受験対策だけにお話を限定すれば、例えば、10の知
識を読んで、10の内容を身につけられれば
受験生としてはそれで特に問題はないです。普通に優秀な方で
す。でも、薬剤師としての実務の世界等を視野に入れると、
「10のことを見聞きして、自身でそれを広げて15や20くらいの
ことを知って、学んで身につける」
ようなことができるスペックの人が、社会に出てからは成功し
易いのです。
このことも、覚えておいてほしいです。
単純に、本試験までにした受験勉強の絶対量が足りてなかったから
とても基本的なことですが、この点も忘れないでほしいです。
大学でのイベントが沢山あったりして
みんな、とても忙しい薬学生さんですが、適切で間違っていな
い勉強方法を前提として、
特に「全体の合格基準点を超えられるだけの勉強量」をまずは
残り時間内で確保できなければ、
たとえ受験対策の方法論(ノウハウ)等を多く知っていたとし
ても、国家試験に最終的に合格できないのは当然です。
これもまた余談になりますが、当サイトの編集部の担当者が、
サイトの立ち上げに際して
多くの薬学生の皆さんの、国家試験の受験対策に関係する悩み
等を広くリサーチしてみました。
その中で、2回も3回も国試を受けていたりして、成績がイマイ
チ伸び悩んでいて苦労している人も
一部では実際に見受けられました。確かに、その人達は客観的
に見て適切と判断できる方法論(ノウハウ)に沿って
受験勉強をやり通せれば合格できるのでは?と考えられるケー
スもありました。つまり、勉強のやり方を
よく知らないで、実践できていない為に成績が伸びずに苦労し
ている受験生さん達ですね。でも、その一方で、
「この人はおそらく、基本的な勉強量が足りていないだけなん
じゃ?」
と思える事例も散見されました。間違っていないやり方を知っ
てからは、
とにかく着実にそれを実践して受験勉強をこなすことだけが大
切です。この点も、いつも心がけていてほしいです。
当サイトで推奨している薬剤師国家試験に向けての受験勉強の
方法は、↓ の3記事でまとめてあります。
これらの記事に書いてある情報は、受験生である皆さんの力に
必ずなってくれることを確信しています…。
- 薬剤師国家試験への受験対策で最適化された受験勉強の方法(流れ)【保存版】
- 薬剤師国家試験の受験勉強の過程で演習の作業の具体的なやり方等のノウハウ
- 薬剤師国家試験の対策で演習をする時の注意点や、模試を会場受験する必要性等
【追記】
薬剤師国家試験の受験勉強で失敗してしまう人に “あるある”
な原因3つをまとめてある前半の記事 ↓ にもご注目下さい。
単純に勉強不足だったのと、科目の壁をなくしていく意識が足りなかった
あと、答え合せをして終わりってしてたのも多かった 反省↓↓
今までの良くなかった点を前向きに改善して努力をしていければ、必ず路は拓けていきます
応援しています
頑張って下さい
現役の時は真面目に国試を目指してなくて、10月から勉強を始めた時は、当たり前だけど合格できなかったです
やはり早め早めに勉強をしていった方が良い
中には「年明けから始めた」とかって平然と言ってのける強者もいるのですが、
相当に国試というか、所謂 “試験慣れ” をしているような人でないと、数ヶ月程度の短期間の
受験勉強での合格は難しい試験であると、薬剤師の国家試験については言えますね
科目をまたいで知識をつなげていくこと、これから意識して勉強していきます
連問とか複合問題とかの為にも、それって大切ですよね
そうですね
今後は益々、科目間で内容の壁が取り払われて、縦割りではなくて横断的な出題の内容に
なっていくと考えられます
それでこそ、臨床の現場での問題解決能力を問えると、出題者である厚労省は通達しています
このことを覚えておかれて下さい
学校は行ってたんだけど、国試の勉強はなんだかんだで8月終わりくらいまで本気で始められなくて,,, やっぱりそれじゃ間に合いませんでした
今は後悔してます