先日、読者の方から当サイトの編集部へ質問を頂きました。
「一般に既卒の薬学生は、どうして国家試験の合格率が低
くなっているのでしょうか?前からずっと疑問で…」
とのことで、薬剤師国家試験のデータを見ていて不思議に
思ったそうです。
ご連絡を頂けまして、有り難うございました。
読者の皆さんの声が直接、近頃は編集部に多く届くように
なってきて、担当者一同、大変に嬉しく思っています。
読者の皆さんは何故だと思いますか?ちょっと考えてみて
ほしいです。
そしてその低さを解決する方法等はあるのでしょうか?
そのあたりのお話についてこの記事では考察してみます。
目次
既卒の薬学生だと、どうしても国家試験の合格率が低下する理由
まず、6年制の新課程になってからの薬剤師国家試験の合格
率を、
新卒(現役生)と既卒(その他)に分けて表でまとめてみ
ました。
ご覧下さい。
国家試験の実施回 | 合格率(%) | 6年制の現役生の合格率(%) | 6年制の既卒生の合格率(%) | その他の既卒生の合格率(%) |
---|---|---|---|---|
第97回 | 88.31 | 95.33 | 0.00 | 38.19 |
第98回 | 79.10 | 85.09 | 67.52 | 14.09 |
第99回 | 60.84 | 70.49 | 39.85 | 13.24 |
第100回 | 63.17 | 72.65 | 53.12 | 18.69 |
表の内容を眺めてみると、明らかに既卒生の合格率が低い
結果になっていると分かります。
例えば、6年制以外の既卒生と6年制の既卒生を比べてみて
もその差はハッキリとしていて、
これは6年制の課程で学んでいない既卒の人達が、予備校等
に通って課程の内容の差を埋めようと
真剣に努力をしても、結局は結構、厳しいという現実が浮
き彫りになってきます。
薬剤師国家試験の出題基準も大幅に変わってしまいました
し、6年制を修了していない人が
同じ内容の国家試験を受験するのってそもそもハンデが凄
くあるので、違和感のない結果と言えます。
ただ、ご質問を頂いたように、現役生と既卒生で何故、こ
んなに合格率に差があるのか?
その理由を具体的に考えてみると、そこには幾つかの原因
が在って、
それらが複合的に作用している実情が見えてきます。
主な理由として考えられる点を順に挙げていきます。
モチベーションがある程度は低下してて、維持や向上が難しいから
編集部の担当者でもこの話題について話し合ってみました。
その中で理由として一番、大きそうなのは
これではないかとの結論になりました。一度、失敗してい
る試験に再び立ち向かうことは、
たとえ学校の定期テストの再試験であっても辛いことです。
自信を無くしていたりもするでしょう。
国家試験に限らずに、例えば、大学受験等でも、浪人をし
てしまうと、当人は一生懸命に受験勉強を
しているつもりではあっても、客観的に他の受験生と学力
を比べてみると、現状での学力レベルを
維持するのがやっとであるとか、一般には言われます。特
に2浪以上になると、もっと成績は伸びにくくなる
とも言われます。それは薬剤師国家試験であっても例外で
はなくて、既卒になって浪人して
たとえ専従の形(環境)で受験勉強をしていても、それで
大きく得点力が飛躍して伸びるケースは
あまり多くはないという事実を、上の表のデータは示して
いると解釈できます。
浪人して、仮に1日中、受験勉強に時間を自由に使える日が
増えたとしても、
だからと言って成績が大幅に上がるか?って言われると、
そんなに単純じゃない訳です。
浪人して勉強を続ければ国家試験に合格できるという保証
も、また無いですしね。
その他に例えば、最難関の資格試験とされる司法試験に臨
む人達について、今は所謂、
法科大学院(ロースクール)を経由するルートと、大学院
には通わないで
予備試験を受けるコース等があるのですが、受験生として
の試験に対してのモチベーションが
最も高い状態になるのは、ロースクール生であればやはり、
大学院を修了した直後で
現役の時の試験であって、それは一般に明らかな傾向であ
ると、当サイトの担当者は聞いたことがあります。
モチベーションを維持して、1年近くとか長期間に渡って受
験勉強を続けて、
学力を維持しながら合格基準点を超えるまで得点力を上げ
ていくことがどのくらい大変であるか?が分かります。
薬剤師国家試験についても、科目数が多いし、出題される
分量は膨大で難易度も上がってきています。
そんな試験に向かう受験勉強を2度も3度もやるのは誰にと
ってもしんどいのです。
だからこそ、
「1度で合格できるように頑張るのが最善ですね」
という、ベタな結論に相談していてなりました。
既卒になって学生の身分を失い、学習や生活の環境が変化するから
当サイトではサイトを立ち上げる際に、既卒になっている
受験生の方達がどんなやり方で
再び薬剤師国家試験を目指すことになるのか?を可能な限
り色々とリサーチしました。
すると、既卒生になると、大学に通って自身の勉強に専念
できていた学習環境をまず失います。
それから、生活の環境については人それぞれですが、正社
員や契約、派遣、アルバイト等で仕事をしながら
受験勉強を続ける人や、又は宅浪であったり、予備校等に
通いながら専業で受験勉強を続ける方等、様々でした。
ただ、ここで本質として言えることは、仕事をしながら兼
業みたいな形で合格を目指すことは当然、大変です。
大学の6年制課程を一旦、卒業してしまうと、受験勉強をし
易い外的な学習環境を失って、
勉強から離れ易い傾向が確かに誰にとってもあるというこ
とです。
多くの人の事例を参考までに調べてみましたが、現役の時
に僅差で合格を逃していて、
あと少し得点力を伸ばせばOKとかって人の場合には、簡単
に翌年、合格していました。
しかし、そうではなくて、働きながら大きく学力を伸ばし
ていかないといけない予定の受験生の方等は、
やはりうまくいっていないケースが多かったです。兼業で
国家試験のような大変な関門を
目指すことは容易ではないのです。1回くらいは浪人して
みることも、長い人生の中では
無駄な経験にはなりませんが、当サイトをご覧下さってい
る読者の皆さんには、
安易に
「今年は無理っぽいから、浪人して再挑戦すればイイや」
的な発想はもたないでほしいです。
既卒になると精神的に崖っぷち度が更に増して、確実によ
り苦しいですしね。
浪人すると何故、薬剤師国家試験の合格率が下がるのか?
ちょっと重めの話題を取り上げてお話をしてきましたが、
2つ目の理由を書いたところで
大分また長くなってしまいましたので、↓ の記事に3つ目
の理由を続けて書いていきます。
既卒や卒延だと合格率はやっぱり下がるのか。。でも次は絶対に合格する!!
現役の時に2点差で国試に落ちて絶望して、
しばらくは部屋に引きこもって何もする気になれなかったのを覚えてます
でも、その時の失敗があるから今があって、無駄な回り道じゃなかったけどね
その経験を前向きにその後、ご自身で活かせるのであれば、
どんな機会であっても無駄な回り道にはならないと考えます
やっぱり色んな意味で、現役でないときつくなるってことですね
浪人してるのに受からなかったらって考えると、怖くて夜も寝れません ( / _ ; )
お気持ちはお察しします
眠れないのなら、逆に疲れて眠くなるまで精一杯、受験勉強をしてみませんか?
そんな発想で日々を懸命にかけ抜けてみて下さい
CBTなどを超えてきた学力があるのですし、適切なやり方で必要十分量の努力をやり抜ければ
薬剤師国家試験は誰であっても必ず合格できる国試であると、当サイトの編集部では考えています
前途について悲観している暇があったら、汗をかいて全力で走ってみるという姿勢で頑張ってみて下さい
受験勉強の方法論(ノウハウ)で困ったらいつでも、いくらでも質問や相談には応じます
応援しています
卒延や既卒になっちゃうと、とにかくモチベーションが死んじゃうんだよねしばらく..(99回で経験者です)
私の場合には就職はそのまましたけど、中には国試のせいで内定を取り消されたりって場合もあるし、
何よりまた11ヶ月くらいとか受験勉強を続けるのが精神的にしんどいんだよね
「また予備校に通うのか…」とか、色々と考えないとだしね
自業自得の結果なんですが ((>ω<。))