薬剤師国家試験の受験対策をしていく上で、過去に出た問題
がまた再び出題されるのかどうか?を
気にしている薬学生の方は多いと考えられます。その証拠に、
当サイトへも最近、
数件のお問い合せを頂きました。ご質問を頂けまして、有り
難うございました。
目次
第101回(2016年)以降の薬剤師国家試験で過去問の再出題はある?
まず、薬剤師国家試験の所管官庁である厚生労働省によると、
過去問題の再出題については
以下のように規定されています。
分かり易いように、要旨を要約しておきます。
(原文そのままを引用して載せることもチラッと考えはした
のですが、
お役所様の文章は一般に、堅い表現で分かりづらい側面があ
りますので…w)
薬剤師国家試験での既出の問題について、薬剤師として必要
な資質を受験生が備えていることを
的確に確認できる良質な設問であると、一定の評価をするこ
とができる問題を活用して、その後も出題する。
その再出題の割合は20%程度であるが、現行の6年制新課程
での国家試験の既出問題の分量(数量)が
充分に蓄積されるまでは、約20%程度という割合に拘らずに
過去の出題内容を本試験の設問で利用していく。
ここで、この厚生労働省による通達を受けての注意点をまと
めていきます。
注意点1 厚生労働省が明言していない2つの観点とは?
上記の文面では、まず、
- 過去問の中で良質な設問であると客観的に出題者側で評価さ
れる問題の量(個数)がどのくらいか? - その良問とされる過去の問題の蓄積に要する期間がどの程度、
何年間くらいになる見通しなのか?
等が明記されていず、受験生としてはとりあえず、まだ数年
程度はデータ(良い過去問題)の
収集に要すると認識しておくべきです。つまり、蓄積が大凡
完了するまでの間は、
約20%程度よりも増減して、過去問を活用される場合が国家
試験の本試験であり得るということです。
因みに、薬剤師国家試験に限らず、一般の国家資格における
国家試験では出題内容に
ある程度の周期性があると言われています。そのあたりの話
題について取り上げて、薬剤師国家試験の場合には
どのように受験生(薬学生)として捉えておくべきなのか?
については ↓ の記事で分かり易く説明してあります。
注意点2 再出題される問題の内容は実際どうなるのか?
上記の注意点1 では、薬剤師国家試験での現状で、まだ新課
程の試験になってから4回の本試験を実施しただけで、
客観的に良問であると出題委員の先生方が判断できる問題の
蓄積量が少なく、
第101回以降も20%程度の数値を超えて、もしくは下回って
既出の出題内容が使用されるとのことでした。
ま、まだ正答率と識別指数等を用いて良い設問であると評価
される問題が
そんなに貯まってない訳ですから、自然に考えたら20%程度
より少なくなりそうな書き方ですよね。
そして、その割合がどうなるか?よりも受験生として注目す
べきで、知っておかないといけないのが
既出である過去問題が出題される場合に、どのような内容に
なるのか?
という点です。要は、「再出題」と言いつつ、過去の問題が
- そのまま出題されるのか?
- 形が変わって出されるのか?
等のことを分かっておいて、受験生としては対策を講じてお
かないとマズイのです。
薬剤師国家試験での本試験の問題の出題形式(5つのパターン)
という訳で、まずは本試験で6年制の新課程になってからどの
ような問題の形式になっているのか?をまとめておきます。
出題の担当者である厚生労働省によると、次のように規定さ
れています。
- 1問1答の形式で1個の正答を回答する問題
- 2個以上の正答の選択肢を答えさせる問題
- 組み合せになっている選択肢の正・誤等を聞く問題
- 医療の現場で適切・誤り等とされる選択肢を問う問題
- 臨床の現場での重要性の高・低等を判断させる問題
薬剤師国家試験では過去問題が今までどのように再出題されてきた?
それで、過去問が再出題されてきた形式(内容)についてで
すが、結構、昔までさかのぼって調べてみて、
出題傾向とリンクしながら、再出題のされ方も変化してきて
いました。
まず、例えば15年くらい前の第85回の本試験では過去問がそ
のまま幾つも出題されたとの記録がありました。
勿論、過去の問題が全く一緒の内容で出されたケースも、一
部分を少し変えて出題された場合等もあったようです。
大きく俯瞰して分析すると、第90回より以前の時代には、過
去問題をそのまま出していた歴史があったのです。
それに対して、6年制の新課程になった第97回以降は出題基準
の変化によって当然、出題の傾向が大きく変化していて、
思考力や読解力等を重視して求めるような問題が増えてきて
います。
それによって、かなり前の薬剤師国家試験では
「とにかく過去問を覚えていれば合格できる試験だから」
なんて語り継がれていた頃もありましたが、ま、世の中はそ
んなに平和な世界のまま推移しないで、
全ての物事は無常に移り変わっていきますので、特に第98回
以降等はピッタリと過去問と同じ内容の問題が
再出題されることは無くなっていて、尚且つ、複合問題(所
謂、連問)が多く出されるようになったことで
全体の合格率の急降下、つまり難化に繋がっています。従っ
て、
過去問の再出題のされ方(出題形式)をまとめてみると、
以下 ↓ のようになります。
- 過去10年分の過去問から20%前後、毎回、再出題され
ている - 過去問と全く同じ内容の出題は無い(あり得ない)
- 個々の選択肢について、過去に出題されたモノは含まれ
ていることがあり得る - 元の設問と比べて、問題での問い方の視点(切り口)が
必ず変化している
このような現状ですので、過去問題の再出題については
特に新課程の国家試験になってから過去問をそのまま同じに
出題するケースは無くなってきていて、
過去の問題を肢別吟味しながら完全に理解して、その上で過
去問で問われている部分の周辺知識を増やしつつ、
類題で演習経験を増やして調整しておくことが結局は最善な
勉強方法である
とまとめられます。
余談になりますが、「肢別吟味」については ↓ の記事で作業
の要領を具体的にお話しています。
・・・と、過去問の再出題の話題と関係して、どうして演習
をする時に類題を自分で想像してみたり、
又は、類題を解くことが大切になるのか?の理由について是
非、ここでお伝えしておきたかったのですが、
長くなってしまいましたので、続きの内容は、↓ の記事で書
いていくことにします。
どうやら、同じ問題がそっくりそのまま出されることは、今はなくなってきているってことなんですね
そうです
だから、問題の内容について視点や切り口を変えて、類題の形を想定して準備(演習)しておくことが大切なのです
ある程度は過去問から同じ問題が出ると、今まで思ってました。。
過去問が再び出題された時に、受験生にとって問題なのは「どんな風に内容をひねってあるか?」の部分だから、結局は類題演習が重要ポイントになるよね
その通りですね
「この問題は、もしこんな風に聞かれたらどうだろう?!」
などと色々想像しながら、演習する時に関連する知識や
解法パターンなどを増やしていけると良いです
そのような経験を積み重ねていくことで、
応用力を身につけていけるようになれます
101回では過去問と同じ内容の問題が出たとのことで、今後も(ほぼ全く)同じ問題が出ることはありそうってことで、、
ただ、出てもそんなのは数問だろうし、それを目当てにして過去問を丸暗記するような勉強のしかたはバカで意味がないよね